【訃報】米俳優ジェイムズ・カーンさん死去　「ゴッドファーザー」のソニー役

映画「ゴッドファーザー」のソニー・コルレオーネ役で一躍有名になった米俳優ジェイムズ・カーンさんが6日、亡くなった。82歳だった。

カーンさんの遺族は7日、「あふれんばかりの愛と心からの哀悼の意」を寄せてくれたファンに感謝を伝えた。

俳優仲間のゲイリー・シニーズさんは、「彼と知り合い、仲間と呼べたのは素晴らしいことだった」とツイート。映画監督のロブ・ライナーさんは、「彼と働くのが大好きだった」と述べた。

コメディアンのアンディー・リクターさんは、「生涯を通じて（カーンの）作品を愛し、その後彼と一緒に仕事ができるようになり、さらに彼を人として愛せたのは幸運だった（中略）ヒーローには絶対出会えないと言われるが、彼はそれは大間違いだと証明してくれた」と述べた。

カーンさんは米ニューヨーク・ブロンクスで、精肉店の息子として生まれた。当時はアメリカンフットボールの選手としてキャリアを積むつもりだった。

進学先のホフストラ大学で、後に「ゴッドファーザー」の監督を務めるフランシス・フォード・コッポラさんと出会い、演劇に夢中になった。

テレビや映画に出演した後、1965年にハワード・ホークス監督の作品「レッドライン700」と「エル・ドラド」に出演し、ブレイクを果たした。

カーンさん（右）はアル・パチーノさんと共演した「ゴッドファーザー」でソニー役を演じた

カーンさんは1970年代から数十年にわたりハリウッドを代表する俳優として活躍。米アカデミー賞（オスカー）、エミー賞のほか、ゴールデングローブ賞に4度ノミネートされた。

彼を一躍有名にしたのは1972年公開の「ゴッドファーザー」だった。当初はマイケル・コルレオーネ役のオーディションを受け、制作会社の幹部もマイケル役に推していたと報じられた。

しかし、コッポラ監督の強い希望で、アル・パチーノさんがマイケル役に選ばれた。

ソニー役で1973年のアカデミー助演男優賞にノミネートされた。

1980年代前半は、自身の薬物使用や、妹の死に直面するなど、一時的に公の場から姿を消した。カーンさんは当時のことを、「かなり恐ろしい時期」だったと振り返っていた。

その後、映画「エルフ」や「ミザリー」などのヒット作で印象的な役を演じ、カムバックを果たした。

2009年にアニメ映画「くもりときどきミートボール2」など、より軽快な作品にも出演した。

俳優業の傍ら約30年にわたり空手のトレーニングも続けていた。

カーンさんはパーティー好きで知られる。4度結婚し、5人の子供に恵まれた。

晩年はツイッターを多用し、多くのフォロワーを獲得。しばしば「End of tweet」（ツイート終了）というフレーズ付きで投稿を締めくくっていた。

カーンさんのアカウントの最後のツイート（遺族が投稿）は、こう締めくくられている。「7月6日夜にジミーが亡くなったと、みなさんにお知らせすることを大変残念に思う。（中略）ツイート終了」。

4時間前
https://www.bbc.com/japanese/62089351